とどまることをしらないで。



「……?律くん……?」


「……」



あれ、おかしい。何故か律くんの反応がない。


目をちょっぴり見開いて、ピシリと固まっている。



目の前でひらひらと手を振ると、ようやくはっとしたみたいだった。


すると、前髪を少しだけくしゃっと乱して。



こつん、という音と一緒に、わたしの額とくっつけた。


ふわ、と柔らかい香りも乗せて。



「……める」


「っ、」



甘い声と同時。ぐんっと頬に感じる熱が上がった。


は、破壊力が……凄まじい。

どうしよう、もっと顔赤くなっちゃうよ。もっと鼓動が鳴り止まなくなっちゃう。



「…あー……もう。ずるいって本当……。…俺だけがいい」



なに言ってるの、律くん。

ずるいのは、きみの方でしょ。

こんなにも、わたしをどきどきさせるくせに。



「…なにがずるいの?」


「……、この無自覚」



よくわからない。



ふっと額が離されて寂しさを感じていると、こつ、と指で小突かれた。



「……?」



首を傾げると、あることに、気づく。



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