とどまることをしらないで。

ふたりで


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「前半おつかれー!」



午前の部が無事に終了し、休憩中。


なんとかやりきれたことに安心して、ほっと息をついた。



「……ふう…」



何か……すごく濃い半日だなあ…。

……でも、楽しかった……っ。



余韻に浸りながら、ハッとする。


そういえばわたし、律くんに「文化祭一緒に回りたい」って言うの忘れてた……!



急に顔面蒼白になったわたしを心配してくれるみーちゃんだけど、その言葉もぼんやりとしか聞こえない。


これは、まずい……!

他の人に律くんが取られちゃう……っ!



「ーーみーちゃんわたし、行ってきます!!」



突然飛び出したわたしに戸惑いながらも「行ってらっしゃい」と優しく送り出してくれたわたしの親友だった。




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「律くん!……ってきゃあああ!」


「……え、める?」


「ご、ごごごごめんなさい……っ」




一度扉に手を掛けて、またピシャリと閉める。


……っ律くんのは、裸見ちゃった……っ。



そう。律くんがこの空き教室に行ったと聞いたから来てみれば、なんと着替え中の彼に遭遇してしまった。



……腹筋割れてたなあ……。



すごく引き締まっていて、一瞬見惚れるくらいにかっこ良かった。



……って、違う違う……っ!



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