レアキャラ
午前八時に家を出る。会社までチャリで十五分。普通にいけば八時半の出勤時刻に間に合う。
「やっべ」
忘れものに気付いた俺は、来た道をチャリで疾走する。
――お、また会えた。
淡いピンクのヒールを鳴らし――実際には鳴っているかは聞こえないが――栗色の巻き髪を揺らして優雅に歩く女性が前からやって来る。その横を俺は猛スピードで駆け抜けた。彼女の甘い香りを吸い込みながら……。
出来れば声を掛けたい。だが、どうしても死守しなければいけないことがある。
自宅に戻り、忘れた書類を鞄に詰め込んだ俺は息吐く間もなく再びチャリを走らせる。
ピピッ
滑り込みセーフでタイムカードを押し胸を撫で下ろした。忘れもの王の俺は、こんなことを月に数回やらかす。
「やっべ」
忘れものに気付いた俺は、来た道をチャリで疾走する。
――お、また会えた。
淡いピンクのヒールを鳴らし――実際には鳴っているかは聞こえないが――栗色の巻き髪を揺らして優雅に歩く女性が前からやって来る。その横を俺は猛スピードで駆け抜けた。彼女の甘い香りを吸い込みながら……。
出来れば声を掛けたい。だが、どうしても死守しなければいけないことがある。
自宅に戻り、忘れた書類を鞄に詰め込んだ俺は息吐く間もなく再びチャリを走らせる。
ピピッ
滑り込みセーフでタイムカードを押し胸を撫で下ろした。忘れもの王の俺は、こんなことを月に数回やらかす。
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