海のように輝く君色を、もっと知りたい。〈ボーイズライフ〉
 十五分ぐらいで目的地に着いた。

 野田はこういう撮影に慣れていて余裕そうだけど、俺は少し緊張してきた。
 
 今日の予定は主に衣装合わせやスケジュールの確認など。本格的な撮影は明日の朝かららしい。

 新しいスケジュール表も配られた。前に送られてきたスケジュールと少し違った。

 その紙の中には『中本組』とも書いてある。この映画の監督の名前だ。監督は20代くらいの女の人だった。『組』って書かれていると、ひとつのチームみたいだ。そうか、ひとつの映画を作るチームなのか。

 町内のイベントなどで普段は使われている会館で泊まる。部屋は男女に分かれ、布団を敷いて寝る。なんか修学旅行っぽい雰囲気で初日を終えた。

 野田は一日中、学校では絶対に見れない明るいオーラを纏っていた。


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