11回目の復讐~呪いの婚姻を受けた私と王太子は、同じ命で繋がっている~
息をしているのか、脈はあるのか確認するが、彼女は死んでいた。
「どうして……」
呟いても冷たい地下の空間にただ消えていくのみ──
まずはこの場から脱出をしなければならないと思い、出口を探していると、ふとどこからか足音が聞こえた。
「──っ!」
警戒しながら足音のした方へと目をやると、薄暗い通路から若い男性が姿を現した。
「おや、私の推察よりずいぶん早いお目覚めだね。早めに様子を見に来てよかったよ」
リーベルトは腰に手を当てる。
……が、いつも腰に携えている剣がなく、その手はからぶってしまった。
「剣ならここにあるよ、ほら」
「──っ!」
王族の紋章付きのリーベルトの剣を男は投げて渡す。
頭上で受け取ると、すぐさまリーベルトは男を警戒して剣を抜いた。
「僕は怪しいものじゃないよ」
「そういう人間を信用できるか。お前は……王宮で見たことがない顔。何者だ」
男はそういうと、シルバーの長い髪を梳いて靡かせて名乗った。
「ラミュレット」
そう名乗った彼の赤い瞳をリーベルトはじっと見つめる。
「睨まないでよ~・僕は君達を救ったんだよ」
「どうして……」
呟いても冷たい地下の空間にただ消えていくのみ──
まずはこの場から脱出をしなければならないと思い、出口を探していると、ふとどこからか足音が聞こえた。
「──っ!」
警戒しながら足音のした方へと目をやると、薄暗い通路から若い男性が姿を現した。
「おや、私の推察よりずいぶん早いお目覚めだね。早めに様子を見に来てよかったよ」
リーベルトは腰に手を当てる。
……が、いつも腰に携えている剣がなく、その手はからぶってしまった。
「剣ならここにあるよ、ほら」
「──っ!」
王族の紋章付きのリーベルトの剣を男は投げて渡す。
頭上で受け取ると、すぐさまリーベルトは男を警戒して剣を抜いた。
「僕は怪しいものじゃないよ」
「そういう人間を信用できるか。お前は……王宮で見たことがない顔。何者だ」
男はそういうと、シルバーの長い髪を梳いて靡かせて名乗った。
「ラミュレット」
そう名乗った彼の赤い瞳をリーベルトはじっと見つめる。
「睨まないでよ~・僕は君達を救ったんだよ」