11回目の復讐~呪いの婚姻を受けた私と王太子は、同じ命で繋がっている~
「あれは魔力石。それがあれば僕は死ねる。そしてその命を君達に付与することができる」
「そんなことが……」
「まあ、やったことなんてないけどね~」
なんとも軽い言い草で彼はニコニコと笑っている。
しかし、リーベルトにはその言葉を頼るしかないように思えた。
(この男のいうことが本当かはわからない。だが、確かに11回の命というのは、間違っていないのだろう)
そうリーベルトが思った理由は、自分の視界がぼんやりと暗くなりだし、息が苦しくなってきたからだった。
あの時に感じた焼けるような喉の痛みはないが、胸の痛さと息苦しさに襲われる。
「あ、もう君の時間は終わりみたいだね」
「ぐっ……はあ……はあ……」
「僕は行かなくちゃいけない。さあ、君達の成功を祈るよ」
「ま……待てっ!」
階段のほうへと向かって行くラミュレットは、何かを思い出したように足を止めて振り返った。
「そうそう。実は君の前に彼女が一度目の目覚めをしているようだよ」
「──っ!」
「つまり、あと9回の命。頑張ってね」
彼はそう言い残して去って行った。
「そんなことが……」
「まあ、やったことなんてないけどね~」
なんとも軽い言い草で彼はニコニコと笑っている。
しかし、リーベルトにはその言葉を頼るしかないように思えた。
(この男のいうことが本当かはわからない。だが、確かに11回の命というのは、間違っていないのだろう)
そうリーベルトが思った理由は、自分の視界がぼんやりと暗くなりだし、息が苦しくなってきたからだった。
あの時に感じた焼けるような喉の痛みはないが、胸の痛さと息苦しさに襲われる。
「あ、もう君の時間は終わりみたいだね」
「ぐっ……はあ……はあ……」
「僕は行かなくちゃいけない。さあ、君達の成功を祈るよ」
「ま……待てっ!」
階段のほうへと向かって行くラミュレットは、何かを思い出したように足を止めて振り返った。
「そうそう。実は君の前に彼女が一度目の目覚めをしているようだよ」
「──っ!」
「つまり、あと9回の命。頑張ってね」
彼はそう言い残して去って行った。