11回目の復讐~呪いの婚姻を受けた私と王太子は、同じ命で繋がっている~
「いいえ、なんでもありませんわ。綺麗なダリヤですわね。私も好きですわ」
「それはよかった!」
無邪気に笑顔を向ける彼に、感情のない笑顔を向けた。
(そう、きっと愛なんて、どこにもない。婚約しても、結婚しても、いずれ彼の心は私じゃない人に向く……)
父親の『裏切り』、そして母親の『狡猾さ』をまじかで見たヴィオラにとって、愛とは信じるに値するものではなかった。
いや、信じたくても『愛』という感情がわからないままでいた──
数年の時が経過しても、変わらずリーベルトはヴィオラに優しかった。
優しいどころではなく、溺愛というのが正しいのかもしれない。
「ヴィオラ、これ」
そうして差し出されたのは、綺麗な空色をした宝石が埋め込まれたネックレス。
そのネックレスをじっと見つめていると、貸してと言って彼はヴィオラの後ろに回った。
首元に彼の手が微かにあたり、少しどきりとした。
(殿下の手、温かい……)
手のぬくもりを感じている間に、彼からの贈り物はすばやく彼女の首にかけられた。
ヴィオラは胸元にある宝石の部分を手に取って光に当てる。
(綺麗な光……)
「それはよかった!」
無邪気に笑顔を向ける彼に、感情のない笑顔を向けた。
(そう、きっと愛なんて、どこにもない。婚約しても、結婚しても、いずれ彼の心は私じゃない人に向く……)
父親の『裏切り』、そして母親の『狡猾さ』をまじかで見たヴィオラにとって、愛とは信じるに値するものではなかった。
いや、信じたくても『愛』という感情がわからないままでいた──
数年の時が経過しても、変わらずリーベルトはヴィオラに優しかった。
優しいどころではなく、溺愛というのが正しいのかもしれない。
「ヴィオラ、これ」
そうして差し出されたのは、綺麗な空色をした宝石が埋め込まれたネックレス。
そのネックレスをじっと見つめていると、貸してと言って彼はヴィオラの後ろに回った。
首元に彼の手が微かにあたり、少しどきりとした。
(殿下の手、温かい……)
手のぬくもりを感じている間に、彼からの贈り物はすばやく彼女の首にかけられた。
ヴィオラは胸元にある宝石の部分を手に取って光に当てる。
(綺麗な光……)