光を失っていく君へ
すれちがい
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「お子さんは、いずれ失明する可能性があります。」
医者にそう言われた時
「そんな、何か解決方法はないんですか!?」
「原因不明でして、治療方法はありません。」
「そんな...」
「それで―――――」
そこが聞き取れなかった。
いまでも、何を言っていたのかは知らない。
ただ、両親が必死になっていたことを今でも思い出せる。
俺だって頭が真っ白になった。
小学三年生の俺にとっては難しくてあまり理解できていなかったけど、両親が必死過ぎてパニックになった。
でも、小学四年生まではなんともなかった。
四年生から偏頭痛やめまい、吐き気などの症状が出始めた。
幼馴染には、父親の仕事だと言って引っ越した。
本当は俺の治療の為だった。
いつか見えなくなるのなら、見えないのが悲しいと思うような存在を作らなければいい。
そう思って、学校では冷たいやつを演じた。
嫌われるように。
誰も俺にかまいたいと思わないように。
大好きだった幼馴染のことは、忘れようと思っていた...
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