ブラジルから出られない!
「エドゥアルドさん!」

パニックになった私は慌ててエドゥアルドさんに駆け寄る。足は幸いにも縛られていないので、自由に部屋を動くことができる。

「あの、私、バーで飲んでからの記憶がなくって……!ここはどこですか?どうして私、縛られてるの?んぅっ!?」

話している途中でエドゥアルドさんに抱き寄せられ、唇を塞がれる。突然のことに驚いて、最初はキスをされているのだと気付かなかった。

「若葉」

唇が離れた後、呼吸を整えている私の頰をエドゥアルドさんが優しく撫でる。その目は昨日と何だか違ってて、寒いわけでもないのに体が震えていく。

「……エドゥアルドさん?」

一歩私が下がると、エドゥアルドさんは距離を詰めてくる。怖い、怖い、どうしてこんなにも怖いの?震えが止まらない。泣きそうになってしまう。

「あっ!」

ベッドに足が当たる。刹那、震えた足ではバランスを取れず、あっという間にベッドの上に倒れてしまった。
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