ブラジルから出られない!
ご飯とデザートを楽しんだ後、レストランを航兄と出る。二人の間にある会話はもちろん「おいしかったね〜!」という食事の感想。

「ブラジル料理初めてだったけど、全部おいしかった!」

「そっか。まだまだおすすめの料理はあるから、ブラジルにいる間に食べろよ」

そんな話をしながら歩いていると、「航!」と背後から声が響いた。振り返ると、褐色の肌をした男女四人がこちらを見ている。

「フェルナンド!アイルトン!ジゼル!パオラ!」

航兄は四人の名前を呼び、ポルトガル語で話し出す。楽しそうに話しているから知り合いなのは間違いないだろう。

「航兄、この人たちは?」

「俺の会社の同僚たちだよ。みんな、この子は俺の親戚の若葉だ。仲良くしてやってくれ」

航兄が私を紹介すると、四人は笑顔で「よろしく〜!」と言い、私は一人ずつ握手を交わした。

「若葉と出会えた記念にバーで一杯やろうぜ!」

フェルナンドさんがそう提案し、私もすっかり疲れが取れていたのでバーへ行くことにした。
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