ブラジルから出られない!
(一人でブラブラしていたいはずなのに私の案内をしてくれるなんて、優しい人なんだろうな)

優しげに微笑んでいるエドゥアルドをチラリと見上げながら、私はブラジル観光を楽しむことにした。

地元の人しか知らない穴場スポットまで教えてもらい、昨日とはまた違ったブラジル料理を食べて、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。もう日が暮れかけている。

「若葉。バーに行かない?昨日はゆっくりできなかったから、今日は一杯奢らせてほしい」

「いいんですか?」

「もちろんだよ。一緒に若葉と飲みたいんだ」

「なら、お言葉に甘えて」

エドゥアルドさんに誘われてバーへと入る。昨日来たところとは違うバーだ。でも賑わっているところは一緒。

カウンター席に並んで座り、エドゥアルドさんがマスターに注文する。マスターはすぐに慣れた手つきでカクテルを作っていき、その様子を私はジッと見ていた。

「若葉はカクテルの種類とかは知ってるの?」
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