Immoral
失敗(1)
少しずつ業務にもなれて配属後1ヶ月を過ぎた頃のこと。それまでも小さなミスはしていたが今回はかなり大きなミスだった。
インボイスの売上先コードを間違って入力したために他支店の売上分をすべて銀座支店分として上げてしまったのだ。
総務経理課から内線がかかって先輩が電話口で謝っていた。電話の様子から私が何かやってしまったという事はわかった。
後から営業の原田課長に呼ばれた。先輩も一緒だった。
課長は主に先輩を叱っていた。原田課長と石原先輩は日頃から険悪だったがこの時は特に険悪ムードが漂っていた。
「他支店分もあることは言わなかったのか?課コードが違うから気をつけるように言わなかったのか?」
「言いましたけど。課コードの事は言わなかったかもしれないけどわかると思って。」
石原先輩が多少ふてくされたような言い方をしたことが課長の神経を逆なでしたらしい。
「言い訳するな。」
課長はきつい調子で先輩を一喝した。
「訂正とマイナスやらで修正に大変な手間がかかるのはわかるだろう。まして月末のこんな忙しい時に。他の課に迷惑をかけるなよ。」
ただでさえ課長と先輩はいちいち衝突しているのに私のミスで先輩が叱られているのはたまらなかった。ただ俯いていた。
今後はなんでも最後に先輩が確認するようにと言い渡されて課長から解放された。
インボイスの売上先コードを間違って入力したために他支店の売上分をすべて銀座支店分として上げてしまったのだ。
総務経理課から内線がかかって先輩が電話口で謝っていた。電話の様子から私が何かやってしまったという事はわかった。
後から営業の原田課長に呼ばれた。先輩も一緒だった。
課長は主に先輩を叱っていた。原田課長と石原先輩は日頃から険悪だったがこの時は特に険悪ムードが漂っていた。
「他支店分もあることは言わなかったのか?課コードが違うから気をつけるように言わなかったのか?」
「言いましたけど。課コードの事は言わなかったかもしれないけどわかると思って。」
石原先輩が多少ふてくされたような言い方をしたことが課長の神経を逆なでしたらしい。
「言い訳するな。」
課長はきつい調子で先輩を一喝した。
「訂正とマイナスやらで修正に大変な手間がかかるのはわかるだろう。まして月末のこんな忙しい時に。他の課に迷惑をかけるなよ。」
ただでさえ課長と先輩はいちいち衝突しているのに私のミスで先輩が叱られているのはたまらなかった。ただ俯いていた。
今後はなんでも最後に先輩が確認するようにと言い渡されて課長から解放された。