Immoral
春の夜
夜桜も終わり、夜になっても冷え込む事は少なくなって来た。
軽めのジャケットかスプリングコートを羽織れば寒さに震えるということはなくなってきた頃のある夜の事だった。
会社の電話にも慣れてほぼ普通にやり取りが出来るようになってきた。
ある時、残業の最中に先輩が席を外すのを見計らって会社から早川さんの会社に電話をしてみた。多分不在だろうと思いながら呼び出してみた。
「少々お待ち下さい。」
と事務の女性が取り次ぎのために保留にした。てっきりあいにくですが、という言葉が続くものと思っていたのに保留が解除され早川さんの声が受話器から聞こえてきて私はびっくりしてしまった。
「あ、早川さん、川村です。」
慌てて言った。
「お世話になっております。」
と周囲をはばかるように早川さんは言った。私は慌てて用件を伝えた。
「あの会社の連絡先の番号を知らせておこうと思って。家にはかけづらいと思うから。」
以前から会社にかけられそうなら教えてと言われていた。
「ありがとうございます。じゃあ会社の方に連絡致しますので番号を教えて頂けますか?」
相変わらずの事務調で早川さんは言った。
私は番号を伝えた。私も急いで
「じゃあ・・・」
と切ろうとすると
「今日はまだ会社ですか?」
と早川さんに聞かれた。
「はい。」
と私は答えた。
「何時頃こっちに帰れそう?」
「20時は過ぎちゃうと思うんですけど・・・」
と私は答えた。
「じゃ駅に着いたら電話下さい。飯でも食おう。」
「はい。着いたら連絡します。」
「じゃあ、後で。」
電話を切ると急いで残りの仕事を片付けた。こんな時に限って営業がどんどんビザ申請の追加分を持ってくる。
私は余計な事を考えず目の前の仕事に集中した。19時にはなんとか目処が立って明日の申請分の処理が終わったので先輩と一緒にあがった。
「お先に失礼します。」
と言うなり急いでロッカーに向かい着替えた。まさかデートするつもりもなかったから今日はカジュアルな服で来ていた。
とにかく急いで化粧を直しアトマイザーから香水をちょっとつけてあわてて会社を出た。
軽めのジャケットかスプリングコートを羽織れば寒さに震えるということはなくなってきた頃のある夜の事だった。
会社の電話にも慣れてほぼ普通にやり取りが出来るようになってきた。
ある時、残業の最中に先輩が席を外すのを見計らって会社から早川さんの会社に電話をしてみた。多分不在だろうと思いながら呼び出してみた。
「少々お待ち下さい。」
と事務の女性が取り次ぎのために保留にした。てっきりあいにくですが、という言葉が続くものと思っていたのに保留が解除され早川さんの声が受話器から聞こえてきて私はびっくりしてしまった。
「あ、早川さん、川村です。」
慌てて言った。
「お世話になっております。」
と周囲をはばかるように早川さんは言った。私は慌てて用件を伝えた。
「あの会社の連絡先の番号を知らせておこうと思って。家にはかけづらいと思うから。」
以前から会社にかけられそうなら教えてと言われていた。
「ありがとうございます。じゃあ会社の方に連絡致しますので番号を教えて頂けますか?」
相変わらずの事務調で早川さんは言った。
私は番号を伝えた。私も急いで
「じゃあ・・・」
と切ろうとすると
「今日はまだ会社ですか?」
と早川さんに聞かれた。
「はい。」
と私は答えた。
「何時頃こっちに帰れそう?」
「20時は過ぎちゃうと思うんですけど・・・」
と私は答えた。
「じゃ駅に着いたら電話下さい。飯でも食おう。」
「はい。着いたら連絡します。」
「じゃあ、後で。」
電話を切ると急いで残りの仕事を片付けた。こんな時に限って営業がどんどんビザ申請の追加分を持ってくる。
私は余計な事を考えず目の前の仕事に集中した。19時にはなんとか目処が立って明日の申請分の処理が終わったので先輩と一緒にあがった。
「お先に失礼します。」
と言うなり急いでロッカーに向かい着替えた。まさかデートするつもりもなかったから今日はカジュアルな服で来ていた。
とにかく急いで化粧を直しアトマイザーから香水をちょっとつけてあわてて会社を出た。