Immoral
「ねえ、川村さんは彼氏いる?」
と石原さんが私に聞いた。脇から山崎さんが
「いるに決まってるよ、川村さん美人だもん。」
と言った。
「そんな。美人なんて事はないですよ。」
と私は即座に否定した。
「ねえ、付き合ってる人いるんでしょ?どんな人?もしかして年下?学生?」
山崎さんが酔った勢いでどんどん聞いてくる。
「年下じゃないですよ。」
と私は否定した。
「じゃあ年上?もしかして同期?」
「同期じゃないです。違います、違います。」
私は今度もあわてて否定した。
「怪しい!同期のあの渋谷の子?」
全く関係ない渋谷支店の同期の男子の名前が出て驚いたので私は早川さんの事を言う事にした。
「違いますよ、年上です。ずっと年上。」
「そうなの?ずっとっていくつ位?」
今度は石原さんが聞いてきた。
「えーと11歳です。33歳だから。」
「すごーい。」
先輩達はなぜか声を揃えてすごいと言ったが何がすごいのかよくわからなかった。
「だから川村さんは大人っぽいんだね。」
と山崎が言った。
「そうですか?」
と私は言った。
確かに幼少の頃からしっかりしてる、大人びていると言われてきたが、私をよく知る友達は私の事を危なっかしい、危ういと知っている。
「どんな人?どうやって知り合ったの?」
山崎さんも聞いてきた。
「家の改築をした時のうちの担当の人です。」
と私は言った。
「えー、そういうのって付き合ったりってなるんだ。すごい。」
石原さんも言った。
「いえ、別にすごくはないです。普通のサラリーマンですから。」
と私は変な謙遜をした。
「営業担当の人?」
と石原が聞いた。
「営業じゃないです。現場監督・・・」
と私は答えた。
「あ、地下足袋とか履いてる大工の頭領じゃないですよ。」
先輩達が不思議な表情をしていたので私は付け足した。
「そうなんだ。現場監督っていうからてっきり・・・」
と言いながら二人は笑った。
「あの別にそういう人じゃいけないって事じゃなくて、あまりにも川村さんと違うから想像したら可笑しくて。」
とクスクス笑っている。
私も笑った。
「付き合って長いの?」
と山崎に聞かれた。
「いえ、まだ付き合ってるっても言えないくらいです。」
私は脚色なしの事実の通りを話した。
「ラブラブなんだー。」
「いえいえ。」
私は照れて赤くなりなから否定した。
「忙しくて全然会う暇ないですから。」
と私は言った。
事実、あれから一週間が経とうとしているのに会うどころか電話さえしていないしかかっても来ない。
だんだん沸いて来る不安と寂しさで潰れそうな気がしていた所なのだ。
と石原さんが私に聞いた。脇から山崎さんが
「いるに決まってるよ、川村さん美人だもん。」
と言った。
「そんな。美人なんて事はないですよ。」
と私は即座に否定した。
「ねえ、付き合ってる人いるんでしょ?どんな人?もしかして年下?学生?」
山崎さんが酔った勢いでどんどん聞いてくる。
「年下じゃないですよ。」
と私は否定した。
「じゃあ年上?もしかして同期?」
「同期じゃないです。違います、違います。」
私は今度もあわてて否定した。
「怪しい!同期のあの渋谷の子?」
全く関係ない渋谷支店の同期の男子の名前が出て驚いたので私は早川さんの事を言う事にした。
「違いますよ、年上です。ずっと年上。」
「そうなの?ずっとっていくつ位?」
今度は石原さんが聞いてきた。
「えーと11歳です。33歳だから。」
「すごーい。」
先輩達はなぜか声を揃えてすごいと言ったが何がすごいのかよくわからなかった。
「だから川村さんは大人っぽいんだね。」
と山崎が言った。
「そうですか?」
と私は言った。
確かに幼少の頃からしっかりしてる、大人びていると言われてきたが、私をよく知る友達は私の事を危なっかしい、危ういと知っている。
「どんな人?どうやって知り合ったの?」
山崎さんも聞いてきた。
「家の改築をした時のうちの担当の人です。」
と私は言った。
「えー、そういうのって付き合ったりってなるんだ。すごい。」
石原さんも言った。
「いえ、別にすごくはないです。普通のサラリーマンですから。」
と私は変な謙遜をした。
「営業担当の人?」
と石原が聞いた。
「営業じゃないです。現場監督・・・」
と私は答えた。
「あ、地下足袋とか履いてる大工の頭領じゃないですよ。」
先輩達が不思議な表情をしていたので私は付け足した。
「そうなんだ。現場監督っていうからてっきり・・・」
と言いながら二人は笑った。
「あの別にそういう人じゃいけないって事じゃなくて、あまりにも川村さんと違うから想像したら可笑しくて。」
とクスクス笑っている。
私も笑った。
「付き合って長いの?」
と山崎に聞かれた。
「いえ、まだ付き合ってるっても言えないくらいです。」
私は脚色なしの事実の通りを話した。
「ラブラブなんだー。」
「いえいえ。」
私は照れて赤くなりなから否定した。
「忙しくて全然会う暇ないですから。」
と私は言った。
事実、あれから一週間が経とうとしているのに会うどころか電話さえしていないしかかっても来ない。
だんだん沸いて来る不安と寂しさで潰れそうな気がしていた所なのだ。