Immoral
「ミズキちゃんは俺なんかといていいのかな?」

唐突に早川さんが言った。

「なんでそんなこと言うの?」

驚いて私は言った。

「ちょっとそんな風に思ってさ。」

早川さんが言った。

「そんなこと言わないで。」

私は言う。

「私は早川さんが好き。大好き。だから早川さんと一緒にいたいの。だからお願い。そんなこと言わないで。」

「わかった。言わないよ。ごめんね。」

早川さんは私の顔を引き寄せてキスした。
海風が肌寒く感じられてきたので車に戻った。海岸通りから国道に入りモーテルの看板を見つけて入った。

真っ暗になるまで夢中で抱き合った。会えない間ずっと我慢していた。私はもっと、もっととせがんだ。

気持ちよさに恥じらいもなくなって私は何度も何度もいかされた。指を絡めあい、吐息を囁きあい、肌の熱を溶かしあう。

抱き合っていると早川さんのことが好きすぎてせつなくて泣きそうになる。愛し合っては早川さんの腕に抱かれてまどろんだ。そしてまた抱き合う。

今この瞬間が幸せであればそれでいい。刹那、刹那でもいい。男と女、別々の個体が繋がって溶け合って一つになる刹那。

体中の感覚器官、血流、細胞までが沸き立つ快感の塊になる刹那。脳髄まで痺れるような感覚を交換するように唇を吸い舌を絡め合った。
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