Immoral
「そろそろ行こうかと思って。」
とナオが言った。
「ああ、ごめん。ぼんやりしてた。」
と私が言うと
「目が遠くに行ってたぞ。」
と課長が言った。
「じゃあ、行こう。」
と私は席を立った。
「デートか。いいなぁ。俺達もデートでもするか!」
と冗談を言った。
「いいですよ、課長。私達もデートしましょ。ナオだけ幸せなのはシャクだし。」
私も笑いながら冗談で返した。
「なんだ、またドタキャンか?」
と課長が聞いてきた。
「ドタキャンじゃありません。今日は最初から約束してないんです。」
「そうかそうか。フラれたか。」
課長はまだふざけた言い方をしていた。
「フラれてはいないです。まだ。」
半分真面目になってしまった。
「はいはい。出ましょ、出ましょ。」
仕切り直して私は明るく言った。
松屋の角まで来るといつも課長は地下鉄に降りていき私とナオは有楽町に向かうというのが決まりになっていた。
「じゃあお疲れ様でした。」
と言おうとすると課長が
「本当にデートするか?」
と真面目とも冗談ともどちらにも取れるように言った。なんて返事すればいいかわからず私が戸惑っていると
「行こうぜ。じゃあな、坂井。」
とナオに手を振った。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、課長。」
唖然としながらどんなつもりで課長がそんなことを言ったのか戸惑っていた。ナオもびっくりした顔で
「どうすんの?ミズキ?」
と言っている。
「いいんだ。少し飲んで帰るんだから坂井は帰れ。じゃあな。」
と課長はナオに言った。ナオが私に
「じゃあね、ミズキ。デート楽しんでねー。」
と手を振って有楽町の方へ渡っていってしまった。
「待ってよ、ナオ!私も帰る。」
ナオはもう通りの向こう側に渡ってしまった。
「課長!」
私は課長を睨んだ。
「そう怖い顔すんなよ。かわいい顔が台なしだぞ。」
課長は笑いながら言った。
「怖い顔は課長です!」
私は言い返した。訳がわからないまま突然の成り行きに戸惑いながら課長についていった。
とナオが言った。
「ああ、ごめん。ぼんやりしてた。」
と私が言うと
「目が遠くに行ってたぞ。」
と課長が言った。
「じゃあ、行こう。」
と私は席を立った。
「デートか。いいなぁ。俺達もデートでもするか!」
と冗談を言った。
「いいですよ、課長。私達もデートしましょ。ナオだけ幸せなのはシャクだし。」
私も笑いながら冗談で返した。
「なんだ、またドタキャンか?」
と課長が聞いてきた。
「ドタキャンじゃありません。今日は最初から約束してないんです。」
「そうかそうか。フラれたか。」
課長はまだふざけた言い方をしていた。
「フラれてはいないです。まだ。」
半分真面目になってしまった。
「はいはい。出ましょ、出ましょ。」
仕切り直して私は明るく言った。
松屋の角まで来るといつも課長は地下鉄に降りていき私とナオは有楽町に向かうというのが決まりになっていた。
「じゃあお疲れ様でした。」
と言おうとすると課長が
「本当にデートするか?」
と真面目とも冗談ともどちらにも取れるように言った。なんて返事すればいいかわからず私が戸惑っていると
「行こうぜ。じゃあな、坂井。」
とナオに手を振った。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、課長。」
唖然としながらどんなつもりで課長がそんなことを言ったのか戸惑っていた。ナオもびっくりした顔で
「どうすんの?ミズキ?」
と言っている。
「いいんだ。少し飲んで帰るんだから坂井は帰れ。じゃあな。」
と課長はナオに言った。ナオが私に
「じゃあね、ミズキ。デート楽しんでねー。」
と手を振って有楽町の方へ渡っていってしまった。
「待ってよ、ナオ!私も帰る。」
ナオはもう通りの向こう側に渡ってしまった。
「課長!」
私は課長を睨んだ。
「そう怖い顔すんなよ。かわいい顔が台なしだぞ。」
課長は笑いながら言った。
「怖い顔は課長です!」
私は言い返した。訳がわからないまま突然の成り行きに戸惑いながら課長についていった。