俺がとめらんないだけ。
それに……彼氏を驚かせるってなんか……か、カップルっぽい気が……する。
よくよく考えれば、かやちゃんの言う通り私たちはカップルじゃなくて、私のただ一方通行な感じ、がする。
それに瑞希くんモテすぎて、私がいるのに他の女子からの猛アプローチで私フラれる可能性だって、十分ある。
いろいろ考えたら、この背後から驚かせる作戦、めっちゃめちゃ重要な1歩なんじゃ………っ。
うう、絶対失敗は許されないぞ、百井 晴!
瑞希くんに近づこうとする度、足がずっしり重くなってるんじゃって感じる。
どっくんどっくん、胸が鳴っているのが分かる。……私、なに驚かせるだけでこんなに臆病になってるんだ!
いつもの瑞希くんのツン覗き見みたいな感じですぐ終わらせるんだ!
すごくすごく意を決して、ふぅと一呼吸ついたとき。
「――――あれ、月城の彼女さん?」
ポンポンと肩を叩かれたら最後。
食堂に私の甲高い断末魔が響いた。