眠れる森の聖女
ていうか、オーラも見えたけど、完全に文字で情報が見えたな。やはり医者としての知識が、こっちの世界では情報をカンストさせているのかもしれない。

ここでは、魔法医が全ての病気や怪我を治療しているそうなのだ。みんな病気になったら、教会に行くんだって。

この世界の教会は神に祈る場所であり、病気を治す奇跡の場所であり、契約を結ぶ神聖な場所でもある。教会が病院と役所の機能も担っているとか、ちょっと魔法に頼り過ぎてる感がある。

有能だったジョニデが国を出て神殿に行くことになったということは、神殿は国境にとらわれず世界中の教会の頂点だってことだよね。

王国と神殿の対立関係がどんなものかはわからないけど、その一端が見えた気がする。

ま、それはいいとして。知識をカンストさせないと、鑑定結果は文字にならないのかな?魔動力も数字で見えたら便利だけど、それは贅沢ってもんだな。

そしたら、オーラの大きさで把握するんだっけ?しょうがない、慣れるしかないな。

とりあえず、自分の体力を鑑定してみよーっと。

体力 24/28
健康状態 良好

ん?何これ?低過ぎない?

ムシ君を見てみる。

体力 88/135
健康状態 良好

おお、さっきより体力回復してる、良かった良かった。でもそうだよね、ムシ君は特に鍛えてる感じもしないし、一般的な大人っぽいけど、体力135ある。

ちなみにジョニデは、、あ、勝手に鑑定すんなやって、表情が語ってる。

「ジョニデ?体力が見えるようになったっぽいんだけど、ジョニデにも試してみていい?」

「構いませんよ」

親しき仲にも礼儀ありだね。では失礼して、、

体力 455/469
健康状態 良好

高っ!ジョニデ体力高っ!

「私の一番の仕事は聖女をお守りすることなので、体を鍛えるのは必須項目なんです」

「そ、それにしても、鍛え過ぎなのでは?」

戸惑う私の様子で関心を持ったのか、レオ様が興味津々で話に加わる。

「教皇はそんなに体力あるんですか。道理でいい体してるわけだ」

「レオ様の体力も見ていい?」

「お、いいぞ。俺だって現役で毎日鍛えてるからな、自信ありだ」

どれどれ、、

体力 654/1352
健康状態 問題あり(偏頭痛・胃炎)

レオ様、だいぶお疲れですね?そして苦労かけてごめんなさい。その頭痛と胃炎の原因はやっぱ私ですよね?

無言で癒しの魔法をかけられたレオ様が狼狽える。

「え?なんで癒されてるの?何?どういう意味?その表情は何?まさか教皇より体力ないの?嘘だろ?」

「いや、大丈夫。レオ様の体力はジョニデの3倍あるよ。ただちょっとお疲れみたいだから、レオ様は寝た方がいいと思うの」

レオ様は相変わらずキラキラだけど、ちょっと思ってたのと違う。いい人、なんだけどねえ。
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