【短編】ワタシノコイガタリ①
更衣室から出てくる所を見計らって告白しようと思い描いて意気込んでた30分前の私よ……無理じゃない?
心臓バクバクだし。吐きそうだし。変な汗かいてるし。体臭気になるし。ととと、とにかくヤバい。
何がやばいって、もう全て。
なんなら人生初ですし……。
うわあああなんでこんな一大事な時にマリカは隣にいないんだああああああああ!
彼氏とそそくさと帰っていっちゃってさ。あんなに心配してくれてたじゃんか!
……でも私胸張って「大丈夫!」なんて言っちゃったからだもんな〜……馬鹿だな〜……。
「――っ」
息が止まりそうになった。それは唐突にやって来たから。
今日初めて知って、好きになった彼。名前はカタギリ キョウマ先輩。1つ上。マリカの彼氏と同じクラスA組。明るいキャラメル色の髪は毛先を遊ばせていて少し虎っぽさを感じさせる。笑顔も爽やかで好印象しかない。それでもこれは表の顔らしい。
人を好きになるきっかけってやっぱり見た目からなのかもね結局はさ。それとも私の見る目がないってことなのかな。きっと後者だろうな〜。
「――あ、あの!」
――『レンカがんば!』
「カタギリ先輩、ですよね」
「うんそうだけど……?」
ああああ心臓の音がっ。
「えっと、その、っ……」
――『当たって砕けろ!ダメなら思いっきり慰めるし話聞く!』
「大丈――」
「私、カタギリ先輩の事が好きです!」
これが私の初告白なんだ――。
【To be continued】