【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
ふたりの王子がわたしのために
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それから桃くんの帰りはいつもより早くなった。
夜ご飯を食べてくることもなくなって、5人そろう日が増えたんだ。
本当にお誘いをぜんぶ断ってるのかな。
そんなことしたら、桃くんの友達がどんどん少なくなっちゃうよ……。
「白石さん!」
桃くんを心配していたら、廊下で後ろから声をかけられた。
振り返ると、綺麗めな子が手を振って近づいてくる。
制服の着こなしから……たぶん、先輩。
「桃綺くんの妹さんだよね?」
「あ……はい」
「ちょっと、桃綺くんのことで相談してもいいかな?」
桃くん……?
同じクラスの先輩かな。
「どうされましたか?」
「あんまり人がいないほうが話しやすいから、こっち来てくれる?」