【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
そう言って向こうを指さす。
ここじゃ人通りも多いし、聞かれたくないよね。
「わかりました」
返事をして着いていくと、どこかの教室でもなく、廊下でもなく、外に出て……校舎裏で足を止めた。
そこにいたのは3人の女の先輩。
腕を組んだり、わたしを見て睨んだり、怒っているようすだった。
え……っと。
わたし、なにかしちゃった……?
「あのさ」
「っ……はい」
ビクッと反射的に肩が上がった。
口を開いた先輩をよく見ると、この前の昼休みに桃くんをお誘いしていた女の人だった。
「あなた、本当に桃綺くんの妹なんだよね?」
疑われる目にドキッと胸が跳ねた。
〝本当に〟っていうのは、桃くんとわたしが〝本当の〟兄妹じゃないことに気づいてるって意味……?