【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
桃くんも感情はあるし、人付き合いだって自分で決めてる。
それを当たり前みたいに……。
「桃くんはものじゃないです!」
だから、桃くんに特別な人ができたって、先輩たちは言える立場じゃない。
「はぁ? マジで生意気なんだけど」
「白石くんの妹だからって調子乗んな」
さらに怒らせてしまったみたいで、わたしの肩を強く押した。
そのままバランスを崩して地面におしりと手をついてしまう。
「っ……」
わざわざ人がいないところに呼び出して、こんなのひどすぎる。
助けを呼びたいけど、あまり人が通らないところだから、たぶんわたしの声は届かない。
なにを言っても通じないだろうし、どうしたら……。