【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
じわじわ涙が溢れてきたとき、ふわっと甘い香りと優しい声に包まれた。
「舞彩を泣かせたの、お前ら?」
この声は……。
桃くん……ととても似てる藍くんだ。
「し、白石くん……」
「藍都くんじゃん。え……なんでここに?」
明らかに動揺し始めた先輩たち。
「派手な女子が白石姫を連れ去ったって、すげぇウワサ流れてるけど」
白石姫……?
わたしがふたりの妹だって知られてるから、廊下で見てた誰かが話してくれた……?
「なにそれ!!」
「なんでみんなこの子の味方なわけ……」
藍くんが言ってもやっぱり納得しない先輩たち。
藍くんはあきれたようにため息をついて、低い声で睨んだ。
「これ以上、大事な妹を傷つけたら女子だろうが容赦しねぇから」