【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
わたしもゾクッとするくらい怖い顔になる藍くん。
ここまで本気で怒るところは見たことがない。
怒るときはいつも優しい口調で理由を交えて言ってくれるから……。
「な、なによ」
「いまは行こう!」
先輩たちは怯えるように逃げていった。
小さくなっていく後ろ姿を見ていたら、藍くんがわたしを抱きしめた。
「舞彩……! 怖かったよな」
体ごと藍くんの腕に包まれる。
わたしを安心させるように頭を撫でてくれた。
あぁ、やっぱり藍くんは優しい。
「うん……」
「俺がいるから大丈夫。アイツらのことはもう二度とないよう対処しとく」
藍くんの言葉どおり、藍くんがいてくれたら安心できる。
「ありがとう、藍くん……」