【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。


「怒らないで」って言おうとしたら、桃くんがわたしの名前を呼びながら走ってきた。



「桃くん!」

「大丈夫か!? 2年の女子に呼び出されてたって聞いて」



息を整えながら立膝をついて、目をギラギラさせて聞いてくる。

すごく必死に走ってきてくれたんだ……。



「ありがとう。もう大丈夫だよ」



自分を責めてしまうんじゃないかと思って笑顔で答えたけど、桃くんはしゅんとした顔になった。



「まーや……。ごめん、ぜんぶ俺のせいだ。俺が変な付き合いして、まーやに迷惑かけた……」

「そんな。桃くんは悪くないよ。桃くんに相手してもらえなくなった先輩たちが、やつ当たりでわたしのところに来ただけで……」

「いや、俺が悪い。もう、中途半端な付き合いはしないから……」



桃くんがそんなに落ち込むことないのに……。

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