【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
Chapter*03
想いの方向は複雑で
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やっと自分の気持ちに気づいたものの、藍くんと特別なことはないまま数日が過ぎた。
どちらかと言うと、わたしが意識してて会話が続かなくなったのかも。
いつまでもこのままじゃ、藍くんも退屈しちゃうよね。
変わるためには自分の気持ちを伝えなきゃだけど……。
藍くんはわたしを妹としか見てない。
保健室の先生にも『舞彩は俺の妹です』って言ってた。
ずっと『舞彩が大事』って言ってくれるけど、これも妹として思ってくれてるわけで……。
この気持ちを隠して、藍くんと仲良くいられるほうが傷つかないし、関係も悪くならない。
なら、わたしの片想いのままのほうが……いいのかな。
昼休みにフラッと廊下を歩いていたら、見覚えのある横顔が見えた。
……あれ?
あそこにいるのは……藍くん?