【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
なんて、思っちゃう自分にハッとなる。
振られてるのに安心しちゃうなんて失礼すぎる。
でも、やっぱり藍くんがほかの人に夢中になったら嫌だから。
心のほうは素直なのかも……。
「女子が嫌いだから……?」
「それもあるけど、別の理由」
「諦めきれないので……聞いてもいいですか?」
「答えたら諦めてくれんの?」
「……はい」
藍くんが女子を嫌いに思ってる以外に理由があるんだ。
ちょっとだけ、前に言ってくれたことを期待してもいいかな。
藍くんに『恋したことある?』って聞いたとき。
『俺には舞彩がいるから、いい』
そう答えてくれた。
だから、ほかの女の子よりもわたしを大事に思ってくれてて、ちょっと安心したんだ。
それが妹としてだとしても……。