【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。


足音を立てないようにわたしもその場から逃げて、トイレに駆け込んだ。



『俺、好きな子がいるから』



すごく、すごく大事そうに〝好きな子〟って言ってた藍くんの言葉が離れない。


その子って、藍くんとどんな関係なんだろう。


同じクラスの子?

年下の子?


それとも、学園が違う子……?


どんな子だとしても、すごく可愛い子なんだろうな……。


や、やだな。

藍くんの優しい顔をほかの子に向けてたら……。



「っ……」



溢れてくる両目の涙をハンカチで覆う。


足に力も入らなくて、しゃがんで落ち着くまで個室にこもった。

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