【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
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あれからどのくらい経ったかな。
しばらくして気持ちが落ち着いてきたので、手鏡で顔をチェックをする。
まだ目が腫れてる……。
泣いてたのわかっちゃうかも。
いや、急いで教室に戻れば気づかれずにいけるはず!
あんまり顔を合わせないようにしよう……っ。
意を決して下を向きながらトイレを出ると、歩いた先で制服のズボンを履いた人とぶつかってしまった。
「す、すみません……っ」
前をちゃんと見ればよかった……!
そっと顔を上げたら、そこにいたのは……。
「まーや……?」
「桃……くん」
目を丸くして驚いた顔でわたしを見る。
泣いてたのバレちゃう……!
すぐに顔をそらしたけど、桃くんは顔を合わせるように覗いてきた。
「どうした? 辛そうな顔してるけど……」