【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
「っ……」
わかっちゃうよね。
心配かけちゃうから、桃くんには知られたくなかった。
「ちょっと……ね」
「誰かにイジワルされた? それとも、また女子らが……」
「違うよ! これは、わたしの問題だから……」
わたしが勝手に傷ついてるだけ。
こんな感情を持ってしまったのがよくないから……。
「……よし。こっち来て、まーや!」
「えっ……!」
気づいたら桃くんに手を繋がれた。
そのまま連れていかれたのは……別棟にある家庭科室。
「ここなら誰も来ないだろ」
廊下を確認して、窓側の奥まで進むと足を止めた。
「なにか、悩んでるんだよな?」
顔に出てたようで、桃くんに心配かけられる。
「……うん」
「まーやの力になりたいから話してほしい。俺も、まーやに助けられてばっかりだから」