【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
自分で話してるのに胸が締め付けられるように苦しくなる。
スカートの前にある両手にぎゅっと力が入った。
「別に……か。それって、どんな人かは聞いたの?」
「誰かは聞いてないよ。でも、いままでそんな話は聞いたことなかったし、そんな素ぶりもなかったから、わたしの知らない人だと思うんだ……」
藍くんがいつもどんな人と仲良くしているのかは知らないから。
小学校のころから放課後に誰かと遊ぶというより、塾やひとりの時間のほうが多くて。
教室でどんな学園生活を送っているのかもわからない。
だから、どんな人なのかは……。
「……ちなみに、好きな人が誰か聞いていい?」
「っ……」
い、いいよね。
桃くんにここまで話したんだ。
さっき、ちゃんと決めたじゃん。
「ひ、引かない……?」
「俺がまーやに引くことがあると思う? どんなまーやも受け入れるよ」