【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
「そうだったの……?」
桃くんはみんなに優しくて、まるで王子さまみたいで、みんなを楽しませる才能を活かしていたのかと思ってた。
期待に応えて、誰からも人気者で、それが桃くんの良さだって。
でも、それは……わたしのためでもあり、自分のためだったんだ……。
「それも中学のときから。女子の期待にできるだけ応えようとして絡んできたけど、まーやみたいに想える子に出会えなかった」
「……うん」
「こんな可愛くて、素直で、家族想いで、俺のこと大事に想ってくれる子は……まーやだけ。俺の隣で笑っててほしいのもまーやなんだ」
体をすこし離して、まっすぐ見つめる桃くん。
「それだけ、まーやのことが好き」
桃くんの熱い熱い告白に、嬉しい気持ちもありながら、正直どう応えたらいいか迷う気持ちのほうが大きかった。
わたしは……藍くんが好きだから。