【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
「っ……」
男は悔しそうに歯を食いしばって拳を握った。
まぁ、どんな男であっても舞彩はやらないけど。
「そんなの、今のうちだけだからな……」
ポツリとつぶやいて屋上を出ていった。
好きに言ってればいい。
周りの意見なんて俺には関係ないから。
「藍くんありがとう」
「ん」
抱き寄せていた手を離して、舞彩と向き合った。
「待たせちゃった?」
不安そうに見つめてくる舞彩。
それが可愛くて、すぐに安心させてやりたくなる。
「待ってないよ。舞彩がいなかったから、友達に教えてもらって来ただけ。男って聞いて心配した。断るのに困ってたし」
「うん……。藍くんが来てくれて助かったよ」
俺がいなかったら、しつこく迫られてたかもしれないからな。
「今度から断るときは俺を使っていいよ。ほかのヤツらからは兄妹だし、不自然なことない」
「……そう、だけど」