【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
いきなりそれが本人だなんて言える勇気はないから、舞彩に誤解されないようにしよう。
「あれは諦めてもらうために言ってるだけだよ。好きな人はいない、から」
これは優しいウソと言えるものなのか……?
舞彩を騙してるみたいで、心のほうが辛い。
「そう……なんだ。よかった」
「よかった?」
「藍くんに好きな人がいるのに、いつまでも頼ってたらその人との時間を邪魔しちゃうと思って。それに……」
言葉を詰まらせたので、舞彩の顔を覗いた。
そしたらすこし顔を赤くして……。
「藍くんがその人に夢中になって、離れちゃったら……やだ」
上目遣いで、さらに甘える声で俺の服をつまむ舞彩。
やば……。