【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
いま、なにかが湧き上がるように体がゾクゾクッてした。
俺を下から覗いくうるんだ目つき。
女の子らしい曲線を描いた体のライン。
甘えるように俺の服をつまむ白くて小さな手。
理性が効かなくなりそう。
可愛すぎて、いますぐ抱きしめて安心させてやりたい。
けど、舞彩は俺と求めてるものが違うだろうから……。
兄として見ているわけで。
ここまで兄想いにさせた俺の責任でもあるけど、それが自分を苦しめるとはな……。
「俺は舞彩から離れないよ。〝舞彩がいるからいい〟って、前にも言わなかった?」
「うん……。ごめんね、ちょっとだけ藍くんが遠い気がして」
「不安にさせたなら俺こそごめんな」
抱きしめたい衝動を抑えながら頭を撫でた。
ここで理性のまま動いたら、舞彩を求めすぎて嫌われるかもしれないから……。
舞彩が寂しがっているのはあくまで兄が離れると思ったからで。
桃綺が帰ってこない日が多かったときと同じだと思う。
これ以上踏み出さないのが正解だろう……。
そう、何度も自分に言い聞かせた。
「ほかには? 悩んでることある?」