【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
だけど、ゆっくりしていられないのが現実。
家に帰れば、舞彩にベタ惚れの桃綺がいる。
「俺のから揚げ、ひとつあげようか?」
俺の前でニコニコな笑顔でまーやに語りかける桃綺。
舞彩は驚いて手を横に振った。
「えっ! いいよっ。桃くんのぶんが減っちゃう」
「俺はまーやが美味しそうに食べてるところを見るほうがいいな」
夜ご飯のときさえ、なにかと舞彩に絡む。
席が俺の前だから嫌でも目に入るし。
すげぇイライラする。
「自分の都合で舞彩を困らせないでくれる?」
「え……ごめん。まーや、嫌だった?」
「嫌じゃないよ……っ」
そりゃあ、その聞きかたをすればそう答えるだろ。
舞彩が素直なほうが好きだってわかって言ってるな。
「……まーやはこう言ってるけど」
「舞彩。桃綺に優しくしなくていいよ。食べられないならそう言わないと、しつこいぞ」