【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
わたしだけ女子なのに、そんなの関係なく仲良くしてくれるみんなが大好き。
ずっと、みんなで一緒にいられたらいいな……。
そんな幸せいっぱいに包まれている後ろで、わたしたちに聞こえない声で話していたのは翠くんと藍くん。
「マジで今日言うの?」
「仕方ないだろ。父さんと母さんに頼まれたんだ。彩には悪いが、俺たちのことをいつかは知ってもらわないと」
「……受け入れてもらえるか?」
「舞彩のことだ。俺らがちゃんと気を使わなければ、大丈夫だろう。藍は怖いの?」
「舞彩にだけは嫌われたくないから」
「〝彩にだけは〟ねぇ。いいんじゃない。もうガマンしなくて良くなるんだから」
「…………」
「知ったのが藍だけで良かったよ。んじゃ、俺たちも行こう」
まさか、ふたりがわたしに隠しごとをしていたなんて思いもしなかった。
わたしの16歳の誕生日。
〝ヒミツ〟を知るまでのカウントダウンが始まっていた……。