【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
みんなの会話についていけないでいると、階段のほうから桃くんの大きな声が聞こえてきた。
「すいせー! みりんどこにあんのー!?」
「……桃が呼んでる。俺は行ってくるよ」
「じゃあ空気を呼んで俺も! また来るからね! 彩ねぇ!」
バイバイとする橙ちゃんに小さく手を振り返して、藍くんと部屋でふたりきりになった。
「橙吾のやつ……。やってくれたな……」
藍くんが深刻そうに片手で頭を抱える。
なにかやっちゃってた……?
「うん……?」
「せっかく我慢してるのに、どうしてくれんだ……」
我慢……?
もしかして、ベッドで寝たいのにずっとわたしにつきっきりなのを我慢してた?
伏せて寝てたから体勢も辛かっただろうし、ちゃんと寝れてないよね。
寝不足でよけいに不機嫌なのかも!
「藍くん、ベッドのほうがよかったら横になってもいいよ……?」