【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
ゆっくり顔が近づいてくる。
え……ええっ……?
今度こそ……キスされる?
キュッと目を瞑って繋いでる手にも力が入った。
藍くんの熱い息をそばで感じたとき……。
「まーや! たまごの雑炊できたぞ〜……」
元気に私を呼ぶ声と同時にガチャッとドアが開いた。
反射的に離れた藍くんの間から見えたのは、おぼんの上にご飯を乗せて運んできた桃くん。
「あ……藍都!? なに弱ってるまーやを襲ってんだよ!」
「別に。襲ってはいない」
「いまのはアウトだろ! まーや、大丈夫か!?」
テーブルにおぼんを置いて駆けつける桃くんと目があった。
桃くんに見られたんだ……。
「う、うん……」
藍くんと……触れそうだったよね。
たぶん近づいた距離と髪が触れた感じ、頬だと思うけど……っ。