【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。


ちょっとだけ力が入ってる言いかたな気がした。



「ううん。わたしが翠くんに用があって」



〝藍くんのことを相談してた〟なんて言えないけど……!



「……そっか」



すぐに納得してくれてホッとしたら、体が後ろに引き寄せられた。


気づけば翠くんの腕の中。

柔らかさと甘みの混ざった爽やかなスペアミントの香りに包まれる。



「彩。さっきはありがとう。俺を頼ってくれて嬉しかったよ」



いつもは積極的に近づかない翠くんがわたしの耳もとに顔を寄せて囁いた。

もちろん、藍くんにも聞こえる声で。



「う、うん。わたしこそ、ありがとうだよ」



急に甘えてくるなんて、どうしたんだろう。



「いつも思ってたけど、彩っていい匂いするよね。ずっとそばにいてほしくなるような甘いフローラルな匂い」

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