【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。


「まーや。俺とのデート楽しみにしててね。いっぱい、甘やかしてあげる」

「舞彩が俺ナシじゃ無理なくらい、甘いデートにするよ」



セリフも、声も、表情も、ぜんぶ甘すぎる……っ。

ふたりのとろけた顔に迫られて、わたしの心臓はバクハツ寸前。


これが本当のお兄ちゃんじゃないからなおさら……!



「こらこら。俺らの可愛い妹が怖がってるじゃないか。悪いことするなら俺が許さないよ」



タイミングよく翠くんがリビングに来た。

翠くん、ナイス……!



「別に。桃綺が邪魔してくるから」

「藍都がまーやを独り占めしようとするからだろ」

「そこ、ケンカしない。とにかく今日は藍と彩が出かけるんだろ? 今日くらいふたりにさせたらどうだ、桃」

「……わかったよ」



桃くんはあまり納得はしてなさそうな顔で立ち上がった。



「次は俺だからね、まーや」



そう言って、桃くんはリビングをあとにした。



「助かった。翠聖」

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