【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。


案内スタッフさんが金額を表示させて、チケットの準備をしてくれた。


えっと、1人分は……。

お財布を出そうとカバンを開けると、藍くんの声が上から降ってきた。



「舞彩はいいよ」



それって、チケット代は出さなくていいってこと……?

さすがにそれは申し訳なさすぎる……!



「でも……!」

「俺がバイトしてるのは今日みたいな日のためだから」



今日……みたいな?

じゃあ、バイトを始めたのは、わたしとお出かけをするため……?


いつからそう思ってくれてたんだろう……?


藍くんがわたしのために言ってくれてるから、ここは甘えちゃっていいかな……。



「ありがとう」

「いえ」



藍くんはスマートにお財布を出して、チケットを買ってくれた。


もらったチケットで入り口をくぐり抜けると……。


その先は、アーチ状に囲まれた水槽にたくさんの魚たちが泳いでいて、見上げた水面がキラキラと輝く洞窟のような通路になっていた。



「わあっ……! 綺麗……!」

< 228 / 351 >

この作品をシェア

pagetop