【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
案内スタッフさんが金額を表示させて、チケットの準備をしてくれた。
えっと、1人分は……。
お財布を出そうとカバンを開けると、藍くんの声が上から降ってきた。
「舞彩はいいよ」
それって、チケット代は出さなくていいってこと……?
さすがにそれは申し訳なさすぎる……!
「でも……!」
「俺がバイトしてるのは今日みたいな日のためだから」
今日……みたいな?
じゃあ、バイトを始めたのは、わたしとお出かけをするため……?
いつからそう思ってくれてたんだろう……?
藍くんがわたしのために言ってくれてるから、ここは甘えちゃっていいかな……。
「ありがとう」
「いえ」
藍くんはスマートにお財布を出して、チケットを買ってくれた。
もらったチケットで入り口をくぐり抜けると……。
その先は、アーチ状に囲まれた水槽にたくさんの魚たちが泳いでいて、見上げた水面がキラキラと輝く洞窟のような通路になっていた。
「わあっ……! 綺麗……!」