【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
好きの形が違くても
藍くんのセリフに体が固まった。
藍くんがわたしを……?
「えっ……と……」
目の前で起きているはずなのに、信じられなくて戸惑う。
だって、藍くんはお兄ちゃんだから。
そして、わたしの好きな人……だから。
そんな藍くんから……。
「ひとりの女の子として、舞彩が好き。舞彩が本当の妹じゃないと知ったときから、ずっと」
藍くんはまっすぐわたしを見つめて離さない。
わたしが藍くんから欲しかった言葉。
そんなふうになれたらって夢をみていたシチュエーション。
本当のことになると、どうしたらいいかわからなくなる。
わたし、藍くんと両想いなんだ……っ。
「嬉しい……。わたし……」
そこまで言いかけて、ハッとなる。
感情のまま答えてしまいそうになったけど、桃くんがチラついた。
……このまま返事をしていいのかな。