【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
ちょっとだけ強くなる口調から、焦りと怒りが混じったように聞こえた。
「それは……」
たぶん、予想できてるんだ。
告白してくれた桃くんに〝藍くんから告白された〟なんて言えないよ……。
わたしが何も言えずにいたら、桃くんが口を開く。
「言いにくいならいいよ。最後に、もういっこ……聞いていい?」
甘えるように腕をまわす手を絡めて抱きしめる桃くん。
いままで家族として過ごしてきた時間が多すぎて、桃くんやみんなが困ってるときはどうにかしてあげたくなる気持ちのほうが勝って拒めなかった。
「うん……?」
「付き合っては……ないよな?」
さっきとは裏腹に、弱々しくなる桃くんの声。
切なくなって胸がギュッと締め付けられるように苦しくなった。
「……うん」
「なら、よかった」