【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
安心した声をもらして腕を回す力を緩めた。
わたしの言葉ひとつで桃くんの感情の変化が伝わってきて、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
わたしが……桃くんを苦しめてる。
そんな桃くんを見ると、わたしも苦しい。
早く素直に伝えなきゃいけないのに、桃くんを見るといままでの関係がなくなってしまうのが怖くて。
いつまでも桃くんの優しさに甘えてる。
わたしはなんてズルいんだろう。
「なぁ、まーや」
わたしをお姫さまのように可愛がってくれたお兄ちゃん。
「今日は俺に時間ちょーだい」
お兄ちゃんとして大好きだから、喜んでもらえるように応えてあげたい。
でも、それはできないから……。
「部活は……?」
部活があれば、桃くん本人を理由に時間がとれないはず。
そう遠回しに諦めてもらえるように聞いたけど……。
「午前で終わるからへーき。まーやと一緒にいたい」