【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。


安心した声をもらして腕を回す力を緩めた。

わたしの言葉ひとつで桃くんの感情の変化が伝わってきて、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


わたしが……桃くんを苦しめてる。

そんな桃くんを見ると、わたしも苦しい。

早く素直に伝えなきゃいけないのに、桃くんを見るといままでの関係がなくなってしまうのが怖くて。

いつまでも桃くんの優しさに甘えてる。


わたしはなんてズルいんだろう。



「なぁ、まーや」



わたしをお姫さまのように可愛がってくれたお兄ちゃん。



「今日は俺に時間ちょーだい」



お兄ちゃんとして大好きだから、喜んでもらえるように応えてあげたい。

でも、それはできないから……。



「部活は……?」



部活があれば、桃くん本人を理由に時間がとれないはず。

そう遠回しに諦めてもらえるように聞いたけど……。



「午前で終わるからへーき。まーやと一緒にいたい」

< 243 / 351 >

この作品をシェア

pagetop