【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
すぐに折れてしまった。
桃くんはわたしたちの関係がいい方向にいくように期待をしてくれてるのかもしれないけど、やっぱり桃くんをそんなふうには見れないよ……。
これ以上、桃くんを振り回してしまうほうが良くないよね。
……言わなきゃ。
わたしの今の気持ち。
藍くんも待っててくれてるから……。
「あのね、桃くん」
——コンコン
わたしが話しかけたところで、ドアのノックが聞こえてきた。
「桃綺。起きてるか?」
綺麗で聞きやすい声に肩がビクッと震える。
この声は……藍くんだ。
桃くんの次に起こすつもりだったけど、もう起きちゃったんだ。
もしかして、けっこう時間経ってた……?
「起きてるけど……。なに?」
「舞彩いるだろ。開けるぞ」