【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
じわじわと涙が溢れてきた。
いまので……藍くんに嫌われたよね。
「桃くん……ひどいよ……」
桃くんだから本当の気持ちを話せたのに。
「わたしの気持ち、知ってるのに……っ」
「まーや……」
桃くんから離れたくて、涙を拭いながら急いで部屋を出た。
階段を降りて向かった先はリビング。
つい、みんなで集まる場所に来てしまって、ソファにいる翠くんと目が合ってしまった。
「彩……? 桃を起こしに行ったんじゃなかったっけ。何があった?」
立ち上がってわたしの前に来ると、目線を合わせてかがんでくれた。
頭を撫でながら心配の声をかけてくれる翠くんは、小さいころから変わらないお兄ちゃん。
翠くんの声を聞くと落ち着く。
「藍くんと桃くんとケンカしちゃって……」