【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。


わたしがいた痕跡を残さないように、飲み終わったミルクティーのコップもシンクに置いてくれる。

そこで、桃くんがリビングに入ってきた。



「おはよ、すいせー」

「おはよう、桃。飲み物はコーラでいい?」

「あー……。今日はりんごジュースでいいや」



翠くんが冷蔵庫を開けると、リクエストがきた。



「桃がコーラ飲まないなんて珍しい」

「なんか気分じゃなくて」



テンションが低い桃くんの声を聞いて、胸が苦しくなる。


……わたしのせい、だよね。

桃くんに謝りたいよ……。



「どうやったら俺の気持ちが届くんだろう」



ポツリとつぶやく桃くんの声と、ペットボトルからガラスのコップにリンゴジュースを注ぐ音が聞こえてくる。



「俺なりにまーやに伝えてるつもりなのにな」


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