【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
翠くんは桃くんの話を静かに聞きながらコップを目の前に置き、イスを引いた。
わたしからは見えてはいないけど、桃くんの不安そうな表情も、黙って聞いてくれる翠くんの落ち着いて下を向く表情も頭に浮かんでくる。
「もっと早く知ってたら、振り向かせられたかな」
桃くんが〝本当の兄妹じゃない〟と知ったのは、わたしと同じでわたしの誕生日。
それまでは、わたし自身がみんなのことを兄弟と思ってた。
それは藍くんも同じ。
だから、早さとかではない。
わたしが藍くんを好きなのは、ドキドキしたり、もっと一緒にいたいと思ったり、そばにいるときの心地よさ……だから。
でも、なにを話しても傷つけそうで、その場にいても答えられずにいたかも……。
それは翠くんもわかってるはずだから、答えるのは難しい……よね。
「そんなこと、ない」