【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。
翠くんのはっきりした返事に、桃くんが「え?」と聞き返した。
わたしも思わずその場で顔を上げてしまう。
「なんで言い切れるの? 俺と藍都の大きな違いって、それじゃん。舞彩を好きな気持ちは負けてないし、ほかになにがあるって言うんだよ……」
「……桃が劣ってるとかじゃない。どんなに早く知ってたって、振り向かせられないときもある」
翠くんは誰よりも早く知ってた。
なのに、どうしてそんな切なそうな声で話すの……?
「まさか……。すいせーもまーやのことを好きになったことあるの?」
桃くんの質問にドキッと胸が跳ねる。
そういう……こと?
「あるよ」
芯のある返事に、目を大きく見開いて驚いた。
えっ……?
翠くんが……わたしを?